14. さよなら、ハービー。

社会人になり数年がたちました。実家にお盆休みで帰省した時のことです。

車庫にフォルクスワーゲンの「ハービー」がいません。

「お父さん、ハービーは?」

「最近故障ばかりだし、父さんも歳とつたから、オートマのカローラにしたよ。」

と、ポツリ。

「どうせお前ものらないし。。。いつもの車屋さんに、20万で売った。」

親のスネをかじって乗り回したあと、自分で引き取りもしない私としては、うなづくしかしかありません。

自分が不甲斐ないし、最後のお別れもできず、残念な気持ちでいっぱいでした。

父は、ハービーと別れるにあたって、写真を撮って、アルバムを作っていました。

裏表紙には、感謝の気持ちを書いていました。

 

ぼくからも「ありがとう、 ハービー」

フォルクスワーゲン1972年型1300ccのパステルホワイトのハービー。

今もどこかで走ってるかな。

いつか、また白いビートルに乗るから、それまで。

おわり。

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