ついにぼくはビートルのオーナーになりました。
そのビートルに、カーラジオ(年代物ですね)の下に日に焼けて文字が薄くなったシールが貼ってありました。前のオーナーが貼ったものです。
「日教済生協、事故連絡はxxx-xxxx」
オーナーは教師だったのでしょうか?
万が一の保険屋さんへの連絡先
どうしても貼るとなれば、グローブボックスの裏に貼るようなシールです。
オーナーは、何かあってもすぐ分かる場所に貼ったのだと思います。
とても、きちんとしたひと(もしくは準備万端のひと)、だったのでしょう。
もう一つ、オーナーはきちんとした人だった。と思うことがあります。1974年から2014年まで一つのもれがない40年間分の整備記録です。

ビートルを大事に乗ってきた証です。
40年間の整備記録には、もちろん、オイル、プラグなど、交換部品、修理箇所、事細かく記載があります。ピストンリング交換、なんていう記述もあります。
整備簿をよく見ると、オーナーの人生もおぼろげながら想像できるんです。
あくまで想像なんですけど。。。。
30歳でこの車を新車で購入。(と仮定してみる。)
60歳までは毎年規則正しく6-7000キロを走っています。
60歳からは毎年の走行距離が少し増えます。。定年で職業が変わったのでしょうか?毎年の走行距離はやっぱり規則正しく刻んでいます。
70歳になると、車検に半年の空白があり、その間2年半で乗った距離は4000キロに激減します。
それが彼の最後の車検になり、そしてこの車との別れがきます。
オーナーの人生に、なにがあつたのだろう。そこまではわかりません。
40年間のずっと相棒だったビートルと別れるのはそれは悲しいことだったと思います。
もしかしたら、ビートルが、主人と別れることになったのかもしれません。
この整備記録は、オーナーが残した僕への手紙のようにもおもえます。
「大事に乗ってください。そして可愛がってくださいね。」