







「どちらを使っても同じじゃないか?」そんな疑問を抱いて、各メーカーの公式サイトで開発過程や商品説明を詳しく調べてみることにしました。
すると、この2つの製品は“成分の違い”によって、得意とする用途が異なることがわかってきました。
WD-40とCRC 5-56の成分の違いと特徴
成分が全く違うのです。
WD-40の主成分、水素化精製重質油、(以下重質油)
重質油の分子が大きいため、揮発性が低くなり、浸透性はCRC 5-56ほどではない
長持ちする皮膜を残すタイプ
CRC 5-56の主成分、水素化精製軽質油(軽質油)
軽質油の分子が小さいため、サビや部品の隙間に深く入り込みやすく浸透性に優れるが、WD-40と比べて揮発しやすい
小さな隙間に浸透し潤滑するタイプ
WD-40とは? 防錆力の最大化した潤滑剤
WD-40の「WD」はWater Displacement(ウォーター・ディスプレイスメント)=水置換”の略。
そして「40」は “40回目の試作”を意味します。
WD-40は単なる潤滑剤ではなく、腐食防止のための水置換剤として開発されました。
金属表面の水分を置換し、防錆の皮膜を形成するのが目的です。
航空宇宙産業のロケット部品向けにも採用され、非常に高い防錆性能を持っています。
WD-40の主な特徴
- 揮発性が低く、長期間皮膜が残る
- 防錆・保護に優れる
- CRC5-56より浸透性は劣る
- アメリカの宇宙ロケット専用に開発された防錆・除錆・潤滑剤
CRC 5-56とは? 浸透力のすぐれた潤滑剤


CRC 5-56は呉工業が開発し販売しているものとばかり思っていました。
アメリカのCRC社の製品です。
WD-40の流通に関わっていた(あるいは販売権を持っていた)人物が、その提携解消後、CRC社を設立。
WD-40の競合商品として、CRC 5-56でを開発し販売を始めました。
この「5-56」という名前は、CRCの住所の”1-16“に5番目の改良商品という意味です。
CRC 5-56の主な特徴
- 気揮発性がやや高く、WD-40より揮発性は劣る。
- 浸透力に優れる
WD-40とCRC 5-56、どちらを使うべき?
長期防錆・保護目的、潤滑 → WD-40
固着ネジの緩めや一時的潤滑 → CRC 5-56
配合思想(設計思想)と得意とする用途には明確に違うようです。
参照
WD-40社に関して
https://www.wd40.com/history/?utm_source=chatgpt.com
https://www.meteorapac.jp/automotive_diy/wd-40/
CRC社に関してhttps://web.archive.org/web/20060504181854/http://www.crcindustries.com:80/files/thecrcstory.pdf
WD-40主成分
https://media.wd40.asia/app/uploads/2024/02/26010719/WD-40-Specialist-Silicone-Lubricant_JP.pdf
CRC主成分
https://images.salsify.com/image/upload/s–BM8Dakwb–/r6lyjvctxfibmvpffsnv.pdf
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