1930年代ドイツの冬と、「国民車」ビートルが空冷の理由。
凍てつくドイツの冬
ドイツは、冬になると厳しい寒さに見舞われます。
当時の車は水冷エンジンが主流で、夜間の冷え込みで冷却水が凍りつき、朝になると車は動きません。

当時はまだ、不凍液という物がありませんでした。

エンジンをかけるには、まずやかんでお湯を沸かし、エンジンにかけて氷を溶かす必要がありました。
誰もが持てる国民車を目指して
ヒトラーは極寒のドイツでお湯を沸かさなくても、すぐにエンジンがかかる車。
そんな車を国民に提供したいと考えていました。

それが、水冷ではなく、空冷を選んだ理由だったのです。
空冷エンジンなら:
- 冷却水を使わないので凍る心配なし
- 寒い冬の朝でもすぐに始動
- 構造がシンプルでメンテナンスも容易
時代を変えた技術的判断
ポルシェに「空冷にせよ」というヒトラーのこの一言が、後の自動車史を大きく変えることになります。
寒いドイツの冬が生み出した技術的選択。それが後にフォルクスワーゲン・ビートルとして世界中で愛される空冷エンジンの車となったのです。
凍てつく冬が、ビートルが空冷になったというお話でした。

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