空冷ビートルにはエアコンがない
空冷ビートルに乗っていると、「ちょうどいい季節」なんて、ほんのわずかしかない。
ゴールデンウィーク頃から、6月半ばくらいまでは、そのちょうどいい季節。後は10月から11月
というのも、
僕のビートルには、エアコンがない。いや、正確に言えば「つけられない。」
1200ccのエンジンはたった34馬力で、エアコンを動かす余力なんてないのだ。
夏の高速道路で渋滞
問題は──夏である。
あれは、真夏のカンカン照りの日。
高速道路で、まったく動かない渋滞に巻き込まれた。
走っていれさえすれば三角窓から風が入る。でも、止まってしまえば、風はゼロ。
うちわであおいでも、返ってくるのは熱風だけ。
高速道路だから、降りて休憩というわけにもいかない。
そのときビートルの車内は、体感で50度近く。
頭はくらくら、水も持っていなかった。
あのときの暑さは、本当に命の危険を感じた。
幸い、熱中症にはならなかった。けれど、それ以来、**「天気と交通情報を確認してからじゃないとビートルには乗らない」**というのが、僕のルールになった。
都内は信号地獄
都内の運転も、じつは危ない。
とにかく信号が多い。
真夏の日中、赤信号で停車しているだけで、命の危機を感じる。
扇風機? 冷風機?──まるで意味がない。

ハイテク機器も買った。首を電気で冷やすもの、全く無意味。

「そんな大げさな」と思う人もいるかもしれないけれど、
エアコンのない車の真夏の都内は、それくらい過酷なのだ。
7月からは“天気と渋滞”が最重要
7月に入ったら、まず天気予報と交通情報をチェックする。
「今日は乗って大丈夫か?」
もし渋滞にでも巻き込まれたら、還暦を過ぎた僕には命に関わる。
熱中症になる危険は、決して他人事じゃないし、ほかの人にも迷惑をかける。
ビートルは、見た目は可愛いけれど、夏に乗るには覚悟がいる車だ。
油断したら、あっという間に“過酷”に変わる。
でも──だからこそ。
ちょうどいい季節に走れた日の気持ちよさは、格別だ。

ほんの短い間だけ快適に過ごして、ビートルと、また夏を迎える。

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