メキシコ、タスコ(Taxco)
ビートルタクシーなんて、もう大昔に姿を消したものだと思っていました。
窮屈で乗りにくい、おまけに荷物もあまり積めない車が、タクシーとして今も現役で走っているなんて、夢にも思わなかったんです。
ところが、そんな常識を覆す場所が、地球の裏側にありました。メキシコ南部のタスコ(Taxco)という銀細工で有名な町です。

ストリートビューをちょっとのぞけば、すぐにビートルが見つかる。
試しに Googleマップのストリートビューを開いてみると、街の中心部には白いビートルが当たり前のように停まったり、走ったりしているではありませんか!
ぜひ、ストリートビューをクリックして、見渡してください。
タスコストリートビュー
最新のブログにも紹介されています。

Cultures Traveled/観光ガイドより
タスコの街はまるで白いキャンバスに描かれたようで、白い街とよばれています。
そこに白いビートルが溶け込むように走っていく姿は、とても素敵に思えます。
でもなんで、ビートルのタクシー?
なぜこの町でだけビートルがタクシーとして残っているのでしょうか?
その理由は、観光にあるそうです。
タスコは銀細工で栄えた歴史ある観光地です。この愛らしいビートルタクシーがこの街の観光気分を盛り上げるために使われているのです。
もしかしたら、乗り降りがしにくく、窮屈で荷物もあまり積めない。そんな現代の車にはない不便さや非日常感こそが、タスコの街を旅する特別な体験を演出しているのかもしれません。

観光より、パーツ。by ビートル乗り
世界のどこかで、今も元気に人を乗せて走っているビートルがいる。この事実だけで、もう嬉しくてたまりません。
普通なら、そんな街があったら「観光に行きたい!」となるのでしょう。
でも、ビートル乗りにとって、それ以上に「まだちゃんとパーツがある!」という事実が、何よりの喜びだったりします。
いつかこの目で、タスコの街を軽快に走るビートルに会いに行ってみたい──。
ビートルタクシーで、ビートルのパーツショップにも。
そう思うと、遠いメキシコの地が、急に身近に感じられました。
出典
トップ写真/ Wikipedia(Archivo:TaxisTaxco.JPG)/撮影者:不明/ライセンス:CC BY-SA 3.0
文中の写真/ Alejandro Linares Garcia, TaxisTaxco.JPG, タスコ・デ・アラルコン(VWビートル・タクシー), 2009年8月23日, Wikimedia Commons(CC BY‑SA 3.0 および GFDL)

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