タイヤ空気圧でウインドウ・ウォッシャー液がでる

空冷ビートルのウォッシャーは、タイヤの空気圧を使っている。

先日、ガソリンスタンドでウインドウ・ウォッシャー液を足していたときのこと。

スタッフの若い方が、「へー?それって、そんなしくみになってるんですか?」とびっくりしていました。

タイヤの中にはウインドウウォッシャータンク
ここにある。

空冷ビートルのウォッシャーは、なんとスペアタイヤの空気圧で動く仕組みになっているのです。

タイヤはウォッシャーの空気タンク

ビートルには電動のウォッシャーポンプがついていない。
じゃあどうやって水を噴射しているのかというと――

スペアタイヤの空気圧を利用して、ウォッシャー液を押し出しているんです。

ウインドウウォッシャー
この蓋を外して水をいれる。スペアタイヤからのパイプ。

要するに、**スペアタイヤが「加圧タンク」**になっています。

ウインドウウォッシャータンク
スペアタイヤ裏のタンク

このウォッシャー、スペアタイヤの空気圧の“警告機能”としても働いている

取扱説明書(マニュアル)によれば、スペアタイヤの空気圧は3kg/cm²にしておくこととあります。
そして、2kg/cm²まで下がるとウォッシャー液が出なくなる

つまりこれは、ウォッシャーが使えなくなったら「スペアタイヤの空気が減ってるよ」という警告機能でもあるわけです。

シンプルだけど、よく考えられてますよね。

空気の入れ過ぎ注意

僕はマニュアル通りに、スペアタイヤの空気圧を3kg/cm²にしたことがあるのですが、
そのとき、なんとウォッシャースイッチの根元が破裂してしまいました。

スイッチ交換
破裂したスイッチ交換

おそらく、50年も前のパーツ、プラスチック部品が弱っていたのだと思います。
そこに高圧をかけたもんだから、水が「ダダ漏れ」状態に……。

以来ちょっと怖くなって、気持ち低めの空気圧にしています(笑)

今では電動に交換する人も

電動式に交換している人もかなり見かけます。
というのも、ウォッシャーのパーツは、一時期かなり入手が難しかったようで、
特にバルブまわりは入手困難な時期もあったのかもしれません。

これが交換できる電動ウォッシャーです。

しかし、最近では販売再開したようです。ちょっと安心。

FLAT4 ONLINE SHOP / ウィンドーウォッシャータンクキャップ w/バルブ&エアーバルブホース T-1 '68-ON、T-3 '68-'74
販売単位: Ea.純正品番: 311955979B発 売 日...

まとめ:アナログの知恵っておもしろい

こうした“アナログの仕組み”、今のクルマではまず見かけませんよね。

現代の車はコンピューター制御が当たり前。でも、ビートルはそんなものがなかった時代のクルマです。
だからこそ、知恵と工夫で乗り切っていたのだと感じます。

それにしても、タイヤの空気でウォッシャー液を出すなんて……

やっぱりビートルって、面白いクルマだと思いませんか?

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